より直截、端的な表現が求められ、より早く正確に相手に言葉を送る手段が携帯電話やパソコンメール。本来、言葉を届けるということは、思いを、心の襞を伝えるという、かなりきわどい手間のかかる作業だ。現代社会は、だからこそ省力化(即戦力化)の美名のもとに言葉の色合いや匂い立つ言葉の香りなど、無いものとして圧殺しようとする。そこに、ちょっとしたことを言うためにひと手間もふた手間もかける手作りの絵手紙は貴重で価値あるものとなる。
 絵手紙では、あえて「個性」とか「ぬくもり」などと力まなくてもいいのです。絵手紙は「ヘタでいい、ヘタの方がいい」。上手く描くために、人の真似もしないし、お手本と比較する必要もない。絵手紙に描かれた線や色や言葉があなたの持ち前のものであれば、それが最高のオリジナルなのですから。ひどい癖字といわれてきた持ち前の筆跡、ガタガタした輪郭しか描けないがそこに自然に生まれるあなただけのタッチ。あなただけの持ち前の線や色遣いや語り口、それが伝わればいいのです。ただ、「心をこめて一生懸命描く」ということだけが大切なのかもしれません。そして、一枚の絵手紙に集中することが、作り出すというかけがえのない楽しみになるのです。