『ゲド戦記』DVDのストーリー

 西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界に現れた。そして、それと呼応するかのように、各地で作物が枯れ、家畜が倒れていく。世界の均衡が崩れつつあった。災いの源を探るゲドは、旅の途中、国を捨てた王子アレンに出会う。心に闇を持つ少年は、得体の知れない“影”に追われていた。二人は、都城ホート・タウンにたどり着く。そこでは、人身売買が行われ、麻薬が蔓延し、売っている物はまがい物ばかり。表面的には陽気で騒々しかったが、行き交う顔からは実在感が失われていた。街をさまようアレンは、謎の少女テルーを人狩りの手から救い出すが、彼女は少年を拒絶する。
 ――世界に兆す災いの背後には、クモと呼ばれる男がいた。“死ぬこと”を誰よりも怖れるその男は、かつてゲドと戦い、そして敗れた大魔法使いだった。

 何者かの力によって、あらゆるものの均衡が崩れてしまった世界。王である父を殺した青年アレンは国を飛び出し、均衡を取り戻すために旅をしていた大賢人のゲドと出会う。2人は人狩りから助け出した少女テルーらと暮らし始めるが、アレンはゲドを倒そうとする魔法使いに捕らえられる。

 宮崎駿の長男、宮崎吾朗の初監督作品。小説全6巻の後半部分のエッセンスを中心に、架空の世界「アースシー」における異変と、その原因を探る王子アレン、大賢人ゲドの旅をつづっていく。(2006年夏)の公開

『ゲド戦記』を本で読んでみよう

『Ⅰ 影との戦い』
アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分に魔力が備わっているのを知り、真の魔法を学ぶためロークの学院に入る。進歩は早かったが、得意になったゲドは、禁じられた呪文を唱え、自らの“死の影”を呼び出し、厳しい試練に臨むことになる。

こわれた腕環『Ⅱ こわれた腕環』
ゲドが“死の影”と戦って後数年、アースシーの世界では争いが絶えない。ゲドは、平和をもたらす力を持つエレス・アクベの腕環を求めて、アチュアンの墓所へおもむき暗黒の地下で迷宮を守る大巫女アルハと出会う。

さいはての島へ『Ⅲ さいはての島へ』
アースシーを治める大賢人となったゲドは,災いの源を断つため,若い王子をともなって最果ての地におもむき,死力を尽くして戦う。魔法の館の長としてアースシーを治める大賢人ゲドのもとに,ひとりの青年が知らせを持ってきた.彼の国では魔法の力が衰えて人々は無気力になり,まるで死を待っているようだと。いったい何者のしわざか?

『Ⅳ 帰還』
ゴント島で一人暮らすテナーは、平和と秩序を回復するため魔法の力を使い果たした初老のゲドと再会する。大やけどを負った少女も加わった共同生活がはじまり、それぞれの過去が響き合う。やがて三人は、領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれるが…。

『Ⅴ ドラゴンフライ』
ある少女が、自分の持つ力をつきとめるため、大賢人不在の魔法の学院ロークを訪れる。表題作を含む、アースシー世界を鮮やかに映し出す五つの物語と、作者自身による詳細な解説を収録する。5つの物語(「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「地の骨」「湿原で」「トンボ」)と、作者による詳しい解説を収める〈外伝〉。

『Ⅵ アースシーの風』
故郷の島ゴントで、妻テナー、顔に大やけどを負った養女テハヌーと,静かに余生を送るゲドのもとを、まじない師のハンノキが訪れ、奇妙な夢の話をする。そのころ、ふたたび竜が暴れ出し、アースシーにかつてない緊張が走る。テハヌーは、レバンネン王に王宮へ呼び出され、重要な使命を与えられるが…。アースシー世界を救うのは、いったい誰か。

 

ル=グウィン(バークレー・1929年生れ)
 『闇の左手』(1969) でヒューゴー賞、ネビュラ賞を同時受賞し、広く知られるようになった。『ゲド戦記』で全米図書賞児童文学部門を受賞、Lewis Carroll Shelf Award、フェニックス賞・オナー賞等を多数受賞。
 父は文化人類学者A.L.クローバー、母は『イシ―北米最後の野生インディアン』の著者シオドーラ・クローバー。
 訳者は清水真砂子。岩波書店から刊行。物語は全6冊(本編5冊、外伝1冊)で構成される。